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やぶ払いに明け暮れている場所の、やぶの有力構成員のひとりがこの草。
先週のある日、草刈りの手を休めて、ノブキを採りに来ていたツノダさんとしばしおしゃべり。話題は戦時中のことにおよび、供出の思い出話となった。 「供出するのにクワの木の皮をはいで束ねて学校に持っていかせられたんだよぉ。勉強しないで、そんなことばっかりだったぺよ」 76歳でいらっしゃるから、敗戦時で国民学校の最終学年、・・・だろうか? 「それって繊維に使うため?」 「何に使ってたんだか詳しいことは知らないけど、あんころは、学校のセーラー服なんか配給だったんだよぉ、モノがない時代なんだから。カラムシも皮はいで持って行かされたなぁ」 「カラムシ! ど、どれがカラムシ?」 「あんだぁ、それだよぉ」 というわけで、そこらじゅうにわさわさ生えているそれだったとは! 田の畦、畑、車道わき、家のまわりにも、そこいらじゅうに。 カラムシ Boehmeria nivea イラクサ科 カラムシ属 カラムシ(苧)。別名、苧麻(ちょま)。英名、ramie(ラミー)。古代から織物の繊維に利用されてきた植物だ。 福島県昭和村が「からむし織りの里」として地域おこしに取り組んでいるというリポートを、何年か前に雑誌かテレビで見て、興味を持っていたのだった。現在では昭和村が本州唯一のカラムシ生産地だそうだ。村では糸とりの体験実習なども行われている。面白そう。 福島県昭和村 からむし織りの里へようこそ (村の公式サイト) カラムシというと、古代の織物というイメージがあったのだけれど、調べてみたら現在でもよく使われているのね。一般的に「麻」と呼ばれているものは、亜麻(リネン)、苧麻(ラミー)、大麻(ヘンプ)の3種類があるそうだ。それぞれ全く別の科に分類される植物。 参考: 麻について 苧麻はシャリ感のある麻。非常に丈夫な繊維で洗濯に強いことから、新幹線の座席背カバーにも使われているとか。 麻混の服はいくつか持っているけれど、苧麻なのかもしれない。シャリ感あるし。 参考: 苧麻(ラミー) (以上、「日本麻紡績協会」webサイトより) 苧麻(ラミー)の生産は、中国、フィリピンに次いでブラジルが世界第三位。南部のパラ州で集中的に栽培が行われている。日本からの移民が栽培を持ち込んだのだろう。日系の紡績会社がいくつかあって、一手に加工を引き受けているようだ。 (ブラジルポルトガル語では rami ハミー) ブラジルでは、用途は繊維だけでなく、家畜の飼料としても注目されているらしい。ブラジル政府開発銀行の資料に、「タンパク質が非常に豊富で、含有量は葉に24%、茎に13%、全草では20%にのぼる。これはアルファルファのタンパク質含有量よりも高い数字だ。酪農動物の飼料としても活用が期待できる」とあった。 ヘジさん、前々からヤギ飼いたいと言っているのだが・・・。 馬の椿ちゃんは、お好きだろうか? 牛小屋に馬が来た 馬の椿ちゃん、お散歩中 (追記2011.6.8) 馬の椿ちゃんと飼い主さんは、その後しばらくして鴨川を去られました。残念。 (写真・さとみ)
by hyakuishou
| 2009-05-07 12:21
| 自然・いきもの・風景
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