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政権が交代して、選択的夫婦別姓制を導入するという民法改正案が来年の通常国会に提出される見通しになってきた。反対する人びとは「家族の絆が壊れる」などと危機感を抱いているようだけど、別姓を義務にせよと主張しているわけじゃなし、選択してそうしようと決めたよそんちのことまで心配せんでもいいのにね。
日本の戸籍を持っていない人間と日本人とが結婚している我が家など、はなから別姓なわけですが、彼らの目には「なんて絆のない冷めた家族!」と映るのでしょうかしらん。それとも、別姓であることが何かよそさまにご迷惑でもかけていると? (子どものいない家は家族とは言えん!問題外!とか言わないでね・・・。) ブラジルでは複数の姓を持つ人がとても多い。なぜかというと、これは旧宗主国ポルトガルの文化なのだと思うのだけど、子どもに命名する際に、母方の姓と父方の姓を両方引き継がせるのがけっこう一般的だから。そして結婚の際は、改姓してもしなくてもいい。改姓する場合でも、妻が夫の姓に変える、に限らず、妻が妻の姓と夫の姓の両方を合体して名乗る、というのもありだ。(夫も改姓する場合があるのかどうかは、ちょっとよくわかりません。) それにブラジルでは、名を2つ持っている人もけっこう多いしね。いわゆるミドルネームというのではなくて、名が2つある。ブラジルにいたとき、名も姓もたくさんありすぎて1行ではおさまりません!という名刺をもらって驚いたことがあるけど、誕生時にすでに複数個、結婚してさらに増え・・・と、どんどん増えていったのかもしれない。リアル寿限無。 法律で最大いくつまでという個数制限があるのかどうか?? そういう話をブラジル人に聞いても、さあ~というかんじで要領を得ない。それくらい、「どうでもいい話」なのかもしれない。 ヘジさんの姓も、父方の姓2つと母方の姓1つの合計3つだ。私がブラジルで居候していた家の家族は、夫婦は別姓、実子4人は父姓+母姓だったり、母姓+父姓だったりで、統一感全くなし。出生届出すとき書く順番を間違えたというんだから、おおらかと言うかなんというか。 けれど、そんなこととは全く関係なく、ブラジル人の家族の絆の強さといったら、ありませんよ。それにそもそも、姓を名乗ったり姓で呼び合ったりするという習慣がほとんどないし。これはプライベートに限らず、ビジネスの場面でも。なにしろ、親しく付き合ってきた友人に手紙を出そうとしてはじめて、ハタと姓を知らないことに気付くことも多いんである。 いや、ブラジルはブラジルだ。日本には日本の伝統が!という反論がすかさず返って来そうだが、では伝統とは何でしょう。 我が国における氏の制度の変遷 - 法務省 昔むかし若いころ付き合っていた人が「結婚したらボクの姓でよろしく」みたいなことを言い出して、そのあまりの「それって当然だよね」なふうに、ちょっと待った!と思わずムキになったことがあったっけ。すると向こうも、「でもそれが日本の伝統だろ!」と応酬。私は、そんなこと言われてもーとますますムキになって、「伝統伝統って、私の人生25年の中には、そんな伝統なんて無いっ!」と、大声を上げたものだった。しかし、なーんだ結局、ぜんぜん日本の伝統でもなんでもないやん、という話。 絆の崩壊を心配する方々には、ちょっと落ち着いて、そもそも家族の絆とは?を考えてみてほしいなぁと思う。抽象的な観念論ではなく、自分自身のことを。「では、我が家の家族の絆とは?」を。もちろん、ご家族のご意見も訊いてね。
by hyakuishou
| 2009-10-02 00:34
| よの中・ひとの中
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