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おととい(3/20)、大山廃校を考える有志の会の寄り合いがあった。前回の「移住者交流会」(> 廃校の教室で語り合う未来)につづき今回は、あらためて「第一回 大山交流サロン」という形で開催。
●大山廃校を考える有志の会 今回は、早稲田大学で「コミュニティ論」(講師:権 安理さん)という授業を受講している学生さんたちをまじえた集まりとなった。住民主体で廃校利用を考えて行こうというここ大山地区の動きに、学生の皆さんは地域づくり実践事例のフィールドとして関心を持たれているようだ。 後半、権先生からプロジェクターを使っての廃校利用事例の紹介があり、それがとても興味深かった。 地域外の人や団体がいきなり入り込んで、行政から巨額の補助金を引っ張って来て改装なりして何かを始めたようなところは、うまくいっていない例が多いようだ。それはそうだよねぇ。産業衰退・過疎化のせいで廃校になったわけだから、ハコモノを置いたからといってそれだけで観光客や利用客をどんどん呼べるはずがないよなあ。 その点、「旭川市東鷹栖農業活性化センター」の事例は面白いなと思った。中に食品加工設備も設けて、地域の女性たちの生産者グループ「野土花(のどか)」がそれを活用している。 ●東たかす生産者グループ野土花 ●旭川市東鷹栖農村活性化センター(pdf) - 「廃校施設の活用事例」(北海道教育委員会)より 食品の製造・販売には保健所の許可が必要で、その種別がまた、やたら細かく厳しい。 私たちも自身の生産活動への関心から少し調べたことがあるのだけど、たとえばの話、農家が自分のところで穫れた材料で味噌作って売りたい、お菓子や惣菜類もいいなあ、ウシも少し飼っているからチーズも作って売れたら、なんてことを考えるとき、それぞれに許可が必要で、種別によってはそれぞれに別個の独立した設備が必要となる。つまり同じ煮炊きの工程だとしても、場合によっては、壁で仕切られた別のスペースに別の流し台ガス台その他一式が要る、ということ。(←こんどもっとちゃんと調べてみる) それだけ厳しいからこそ衛生面で信頼ができる、というのはあるだろうけれど、自立的農業の振興を考えれば、もう少し規制緩和をしてもいいんじゃないかと思う。小規模生産ではこんな設備投資などできるわけがなくて、そういう点で上記の農村活性化センターは利便性のある施設だと思った。 ここ大山地区のような中山間地の過疎の農村では、「規模拡大による農業振興」という政府の方針に乗るなど、どだいムリな話。小さい規模で小回りきかせ、生産・加工・直販まで手がけていくのがこれからの農業の生き残る道であり、そして何と言ってもおもしろさでは。・・という話はつらつら何度か書いてきた。(たとえば最近ではこことか> 牧場のできたてチーズを食して思う) 家のまわりは田んぼと畑、庭先の小屋にウシが数頭、畦道で刈った草はウシのエサに、ウシの糞は田畑の肥料に。・・そんな農畜一体の風景がまだこのあたりには少しだけ残っているけれど、その担い手のお年寄りたちが近いうちに引退したあとは、引き継ぐ人間はたぶん誰もいないだろう。こういう日本の農村風景は、いま絶滅の危機だ。 ノスタルジックで美しい風景をなくさないでぇ、なんてつい思ってしまうけれど、しかしそんなのは、お気楽な第三者の身勝手な考えにすぎない。 いまは街で暮らすお孫さんたちの世代や、農村に縁を持たない都会の若者たちが、ある日、農的暮らしを希望したときに、農村に移り住んで元手がなくとも工夫して業を営むことができ、やりがいをもって楽しく生活を成り立たせていける。その結果として景観は守られて行くものなのだろう。 地域の人が集い楽しみ、余暇活動や生産活動が行われ、人と人との関係性が生まれ出る場所。そこに行けばいつも誰かがいて何かが起きている場所。・・ムラの衰退の象徴としての廃校が、ひっくり返って、そんな住民主体の地域おこしの力を生む場になって行ったらいいなあと思う。 地域が“興る”というのは、経済の話だけではなくて、そこに住む人・そこを訪れる人の「幸福感」の話でもあるはずだ。仕事のやりがい、生活のハリや楽しみ、自信、生きがい、人間関係の豊かさ、未来への展望、自然環境や景観の心地よさ、そういうことをひっくるめた、地域おこし。いや、逆に、都会と比べて諸条件で厳しい農村なればこそ、そういうことが担保されてはじめて経済も興ってくるのではないか。(昔から社会心理ということに関心があるので...) 私たちは仕事がら、地方のまちやむらに出かけることが多いけれど、生き生きとした場所は、やっぱりそれ相応のわけがあるものだなあと納得させられることが多い。そういう私たちが見てきたことなども、なにかのお役に立てたらいいなと思っている。 ところで、権先生とは、昨年末にメールをいただいて何度かやりとりさせてもらっていて、おとといははじめてお会いできてうれしかった。私たちは仕事で留守にしていて参加できなかったのだけど、昨年末12/26ー27の2日間に渡って旧大山小校舎で権先生と学生さんたちも企画参加したイベントがあったのだった。 イベントの記事が地元新聞に出ています ●廃校に久々の歓声響く 鴨川の旧大山小 早大学生と地元住民が交流 - 房日新聞 (↑記事中写真の子どもたちが製作に取り組んだフォトモザイク、当ブログのこちらの写真を参考見本にしていただいたそうで、光栄でした〜。) そのほかの新聞記事 ●鴨川 旧大山小の有効利用へ 有志の会 立ち上げ - 房日新聞 廃校に関するデータや事例集などが文科省のサイト内にあります ●余裕教室・廃校施設の有効活用 - 文部科学省 上記ページ中にあるLink先『(参考)廃校後既存建物の主な活用用途(平成21年5月現在) (PDF:76KB) 』によれば、 平成14年度~平成20年度の全国の廃校数は、3,134 内訳は、小学校1,986、中学校572、高等学校等576 とのことだ。 驚いた。
by hyakuishou
| 2010-03-22 12:18
| 鴨川・田舎暮らし
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