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昨日の【速報】アマゾン巨大水力発電所:連邦裁判所が差し止め命令の続報です。
*これまでの記事一覧は[Tags.ベロ・モンチ水力発電所]をクリックすると表示されます 以下、今朝ネットで読んだブラジルの新聞報道(4月15日付記事)を参考にしながら。 14日に連邦裁判所アルタミラ支部(パラ州)が出した環境アセス結果の差し止め令に対し、国側はそれの停止を求めて連邦裁判所ブラジリア支部に反訴。国側は、工事入札をあくまで当初の予定通り来週20日に実施するつもりでおり、もしブラジリア支部の司法判断が遅れるようならば、最高裁判所に直接訴える、としています。 工事入札参加申し込み期限は、16日18時(日本時間17日6時)。参加企業体は工事費(推定190億レアル/約1兆円)の1%に相当する保証金を準備する必要があります。入札参加予定だった企業体が またスポークスマンは、このようにも。 「差し止めを求める訴えには間違いがある。シングー河は確かに先住民エリアを流れる河だが、水力発電所建設計画地には先住民はいない。もし先住民エリアにかかっているとすれば、もちろん法に則った手続きを行ったが、この計画は先住民の問題には関係がない。アマゾン流域のすべての水力発電所は先住民エリアを流れる河川上に存在する。しかしそれら発電所の場所自体はエリア外なのだ」 これは国側が当初から主張していることですが、当の先住民族たちの意見とは真っ向から対立しています。 またルラ大統領は14日の記者会見で、国際環境NGOを再びこのように批判しました。 「世界中のあちこちからNGOが押し掛けて来て、ボートをチャータして、発電所を作らせまいと動き回っている。しかし、我々のアマゾン、我々のインヂオたちにいちばん心を砕いているのは、ほかでもない、我々自身だ。自分たちのところの自然や先住民の世界を既に破壊してしまった人間たちが、だから我々も同じ轍を踏むに違いない、などと予想を立てている。そのような者たちには、アマゾンに来ていただく必要はない」 ルラのいらだちは理解できるだけに(同意はしないけれど)、耳が痛みます。 過去に間違いを犯して、いま反省があり、その上に立って、この先に間違いを犯さずにすむ別の道への知恵を模索し続け、多少なりとも築いて来た——。そのような者としての意見を私たちは紡いでいかなくては....。 あとひとつ、20年近くブラジルの都市スラムの問題に関わって来て言えること。 「まだまだ貧しい国だから国民生活向上のために開発が必要」というテーゼの欺瞞性と、そのテーゼに則った「保護か開発か」という二者択一を迫るやり方への疑問。これは常に感じている。そのあたりのことは、いちどきちんと書かなければ....。 そして、もうひとつ。 ブラジルの司法の、あくまでも法に忠実なあり方、独立性、そして判断の速さには、いつもすごいと思わされます(万事にそうだと言い切れるほど知ってはいないけれど)。もしこれが日本ならば、国の意向や現状のもろもろの事情が優先的に考慮されて(「空気を読む」というやつか?)、しかもおそろしく時間がかかり、そのうちぐずぐずに....といったところではないだろうか。 また、三権から独立した存在として、市民を代弁して市民の権利擁護のために働く Ministério Público(こちらを参照)という社会的仕組み。これは日本にはないもので(ですよね?)、長い軍政時代を経て市民が勝ち取った民主主義の厚みというものを感じます。 ブラジルはまだまだいろいろ問題はあるし、哀しい部分も多々あるけれど(貧困問題に関わっていると特にそう思うけれど)、でも、民衆の底力はすばらしいと思う。社会の懐の深さや柔軟性、日本とは違う種類の生真面目さ。見習うべきところがたくさんある国だと思っています。 ○4/20追記・・・【※後注】の部分について 正しくは、<工事費の政府算定による見込み額と市場の評価による見込み額に差があり過ぎて(政府算定額が低すぎる)、「実態とかけ離れている、そのような額では請け負えない」と、入札参加を見合わせる共同企業体も出て来ている。>ということです。 そこで「75%の減税措置」により実質入札額を底上げして、入札参加のモチベーションを上げて行こうとしているわけです。また、BNDES(ブラジル経済社会開発国立銀行)も、「入札した企業には工事に必要な重機の購入等にかかる費用として、建設予算額の80%まで融資する」とインセンティブを掲げています。
by hyakuishou
| 2010-04-16 12:39
| アマゾン/先住民
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