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天気予報もカエルの鳴き声予報もはずれた梅雨の晴れ間に、急いで田の草取りに出る。今日で2回目。(1回目のようすは>こちら)
一枚の中に地表面の高低があり、かつ泥層の厚さに大きな差がある田んぼなので、それらのコンディションによってイネの生育速度や雑草の量、種類が目に見えて違っている。泥層が厚くて水が深い箇所が、いちばんいい状態のよう。15年以上荒れ地になっていたのを昨年復田したばかりだから、いい状態に直していくのはなかなか大変だ。 プロの農家の田んぼは、全部のイネが同じ高さ・太さにびしっ!と揃っていて、それは見事なものだ。私たちみたいに無農薬で行くのなら、害虫に負けないような太くて強い苗作りの部分からちゃんとやらなくてはいけないのだよな。...来年こそは! そしてメタンガスの温室効果は二酸化炭素の21倍。 さあ、どうする! けれど環境問題はトレードオフ。 あっちを立てればこっちが立たず。 有機質は土壌を肥沃にし、生物相を豊かにする。生き物いっぱいの田んぼはいいな。有機質たっぷりすき込んだ田んぼで無農薬栽培だ。“冬水(ふゆみず)田んぼ”(冬期堪水/田に冬の間も水を張っておく)で、ますます生き物いっぱいの田に! ↑ ↓ メタンガス発生を抑制するために有機質はなるだけ入れずにおこう。そのためには化学肥料と農薬をうまく使っていかなければ。また冬期は水を抜いて乾田化するとメタンガス抑制になる。 というか、水田はやめて陸稲(おかぼ)にすればいいだけの話か。私は食べたことがないけれど、陸稲は美味しくないらしい。「温暖化防止のために、これからは私は陸稲を買うことにしたい。水田を埋めて畑にしましょう」という人、いますかね? たぶんいないよねぇ。 と、何の結論も出ないまま話題は変わって、(いいかげん) 夕方に炭窯に立ち寄ったら、長老たちが「今晩、みんなでホタルを見に行くヨ」と誘ってくれた。 日が落ちた7時半過ぎ、炭窯の下手奥に広がる沢筋の谷津田に、ふわふわと、漆黒の空いっぱいに無数のホタルが舞っていた。空に手を差し伸べて指先に小さな灯りを点してみながら、「昭和40-50年代あたりも、こんなにホタルいました?」と長老に聞いてみた。「いやー、いなかったねー」と長老。農薬の種類や使い方、使う量が今とはずいぶん違う時代のこと。私も子どもの頃に住んでいた家のまわりで見た記憶があるけれど、昔は一帯が真っ白に霞がかかるほどに撒いていたものですよ。 今、このあたりの山の棚田では、ふつう使うのは、田植え時期の除草剤とイネミズゾウムシ対策のため苗箱にまぶす粒剤くらいではないか。必要によってはカメムシ防除の薬を撒く場合もあるみたい。低農薬で十分行けるけれど、でもやはり除草剤をはずすのは相当に難しいだろう。田に這いつくばって手で草を取るというのは、本当にたいへんな労働だ。 たとえばの話、どちらも国産で、機械織りの布をミシンで縫った服と手織りの布を手縫いした服とが、同じ価格になるはずがない。「どれだけ高くてもいい、無農薬の米を」という選択肢もあっていいとは思うけれど、「いや、食糧は服などとは違う。人類全体が飢えずにすむ十分な量を十分にアクセス可能な価格で供給できるような食糧生産の保障が基本」という大前提を忘れる訳にはいかないだろう。 無農薬の大変さを知れば知るほど、慣行栽培を否定的には言えないよねぇとの思いを深めつつ、田の草を取る日々。 長老たちとのホタル鑑賞の帰り道、うちの田んぼにも寄ってみた。舞うホタルにしばし見とれるのだった。 写真:さとみ
by hyakuishou
| 2010-07-05 01:33
| 野良しごと/山しごと
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