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「私たちの声を聞いて」:ベロモンチ水力発電所に反対する先住民族たちの叫び で紹介したYou Tubeの映像『Povos do Xingu contra a construção de Belo Monte(ベロモンチ建設に反対するシングー地域の民族たち)』の中で、ひとりの先住民男性がこう言っていました。
「ダムを建設することだけが果たして唯一の方法なのだろうか。エネルギーを作り出すには別の方法があるはずではないのか」 別の方法ならば、ある。 その処方箋を示すのは、ほかでもない財界人や元政府閣僚たちです。ブラジルの全国紙O Estado de São PauloのWeb版記事からご紹介しましょう。 参照記事: ●Energia - mitos que custam caro (エネルギー - 高コストという神話) 2010.11.19 ●Brasil desperdiça três usinas de Belo Monte com bagaço de cana (ブラジルはサトウキビの絞りかすをベロモンチ発電所3基分むだにしている) 2010.6.11 ●Energia da cana vale 3 belo monte (サトウキビのエネルギーはベロモンチ3つ分) 2010.9.1 昨年11月、全国工業連合会(Confederação Nacional da Indústria-CNI)は、産業界全体で25%の消費エネルギー削減が可能だとする研究報告を発表した。冶金業界を手始めに、窯業、化学、製紙、セメント業界と順に取り組んで行く計画だ。 このエネルギー対策の方向性は、2006年に発表されたサンパウロ州立カンピナス大学(Unicamp)やWWFなどによる共同研究とも一致する。そこでは全国の消費エネルギー水準は現在の半分で十分可能だと結論している。この研究報告は現在、連邦立サンパウロ大学電気工学・エネルギー研究所の研究班によって査読が行われている。 消費削減分の内訳は次のとおり。 (1) 30%:エネルギーの保全と利用の効率化による分 (2) 10%:送電ロスの低減による分(現在、発電量の15〜17%が送電中に失われている) (3) 10%:旧式の発電設備の改善による分 ところが政府は7%の年間経済成長率が今後12年間続くとの前提のもとで、国民一人あたりのエネルギー消費量は12年間で2倍になると試算している。そのためには毎年 5.1ギガワット分の発電拡大が必要だ。 ※補足: 上記のカンピナス大学らによる研究班の班長の物理学者José Goldembergジョゼ・ゴールデンベルク氏は持続可能な開発における再生可能エネルギーの開発・推進を専門とし、科学技術庁長官(1990-1991年)や教育大臣(1991-1992年)、環境庁長官(1992年 ※リオで開かれた地球サミット開催時)などの政府閣僚も歴任してきた。アマゾン流域で次々と進められている水力発電所建設計画に対して、先住民の生活や自然環境に影響を及ぼす事に懸念を表明している。2008年、旭硝子財団のブループラネット賞を受賞。 ●ブループラネット賞歴代受賞者 - 旭硝子財団 また、元農業大臣(2003-2006年)で、現在はジェトゥリオ・ヴァルガス財団サンパウロ経済学校アグリビジネス・センターのコーディネータを務める農業学者のJoão Roberto Rodriguesジョアン・ホベルト・ホドリゲス氏は、バイオマス発電の潜在力を訴えている。ホドリゲス氏によれば、国内で発生するサトウキビのバガス(絞りかす)をすべて発電の燃料に活用した場合、総発電量はベロモンチ水力発電所3基分に匹敵すると言う。 ブラジルではサトウキビのバガスは既にエタノールや電気などの形で再生可能なエネルギーとして活用されており、国内のエネルギー原料全体に占める割合は17%にのぼる。好条件下で1トンのサトウキビから砂糖175キロとエタノール80リットルが生産でき、800キロの蒸留残渣と250キロの湿潤バガスが発生する。 従来、サトウキビ加工工場ではバガスは熱源として自家消費されて来たが、近年はコジェネレーションシステムを導入して電源としても活用する所が増えて来た。全国に434カ所ある砂糖・エタノール生産工場のすべてでエネルギーが自給されており、そのうち100カ所では売電も行われている。蒸留残渣はサトウキビ畑に施す液肥の材料として利用できる。サトウキビはゴミが出ない。 ホドリゲス氏は、発電設備導入への補助や逆潮流(売電)のための送電線の設置などのバガス発電の奨励策を政府は推進すべきだと訴える。そして政府のエネルギー戦略の不在を批判して、こう語る。「(ベロモンチ水力発電所建設予定地の)シングー河からはるばると送電線を引いて電気を持って来るよりも、サトウキビの大産地であるサンパウロ州やミナスジェライス州で、既にある資源を使って発電するほうが、よほど簡単で安上がりではないのか」。 ○ベロモンチ水力発電所関連:これまでの記事の一覧> こちら ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします!(私も会員です)
by hyakuishou
| 2011-01-06 00:00
| アマゾン/先住民
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