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夏という季節にはどこか物哀しさを感じてならないのですが、それは原爆投下、敗戦、盆と、「死」の記憶が色濃く漂う季節だからでしょうか。
6日夜、NHKで入市被爆者に関するドキュメンタリー番組を見ました。 NHKスペシャル『見過ごされた被爆 ~残留放射線 63年後の真実~』 再放送:8月26日(火)深夜 【水曜午前】1時5分~1時54分 総合 番組HP http://www.nhk.or.jp/special/onair/080806_2.html その他の戦争関連番組を含めた再放送予定リスト http://www.nhk.or.jp/special/rerun/index.html (番組HPより) 原爆症認定基準見直しについては、こちらの記事などを参考に 毎日新聞 2008年8月6日 大阪朝刊 『クローズアップ2008:原爆症、基準見直し 「疑わしき」依然認めず』 http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20080806ddn003040066000c.html 認定基準は、「ABCC(原爆傷害調査委員会)」による調査結果に基づいて作成された「DS86(被曝線量評価)」に依拠しています。「ABCC(原爆傷害調査委員会)」については、昨年、やはりNHKでドキュメンタリー番組をやっていたのを見た記憶があります。 6日の番組でも何度も言及されていましたが、ABCCは原子力の産業利用(原子力発電等)には欠かせない安全基準(人体はどれだけまでなら放射線を浴びても大丈夫か)を作成するために必要なデータを収集分析することを目的とした組織であり、被爆者の治療は行いませんでした。 関わった個々の研究者や医師の心積もりがどうだったかはわかりませんが、組織にとっての被爆者は「有用なデータをもたらす宝の山」にすぎなかったのだろうか・・?という疑念が頭の中をめぐってなりません。 番組中、一人の女性のケースが取り上げられていました。 入市後に激しい下痢症状が長引きABCCでも検診を受けたが、長らく赤痢だと思わされていた。最近になってABCCからカルテを取り寄せたところ、放射線による症状と明記されていた。そして原爆症認定の申請を決意した――。 (番組HPの右上の写真がABCCに保存されていたカルテを見せられているシーン) 番組中、マンハッタン計画に関わった科学者やABCCの元研究者がインタビューに応えています。いわく、 ・原爆は投下4日後には放射線が出なくなるよう計算して設計した。 ・投下後に行った調査でも放射線は大して検出されなかった。 ・入市後に急性被爆症に似た症状を呈した人は別の病気のせいだ。 ・腸チフスでも髪がごっそり抜ける症状が出ることがある。etc. これらの知見に基づいて作られた基準がDS86だったわけです。 番組では、これへの反論として、 ・投下後速やかに放射線が出なくなるという前提ありきの調査だったので、残留放射線については調査の手法に緻密さが欠けていた。 ・しかも土壌しか検査しなかった。 ・放射線は、土壌からだけでなく、建物のコンクリートや被爆者の人体などからも出ていた。 ということが番組側の見解として語られていました。 また最近になって日本の研究者が入市被爆者の遺伝子を調べたところ、急性被爆症と同様の損傷が見られた、という研究結果も紹介されていました。 原爆症訴訟についての政府の見解を調べてみました。ぜひ読んでみてください。 大臣官房HP>「原爆症訴訟」 http://www.moj.go.jp/KANBOU/SHOMU/SOSHOJYOHO/soshojyoho3.html 私は漠とした"常識"として「放射線は(どれくらいの期間かは定かではありませんが)しばらくは出続ける」と理解していました(います)。「4日後には消えてなくなる、だから原爆症のように見える症状は原爆には関係ない」という主張を日米両政府がしている、ということを恥ずかしながらよくは知りませんでしたし、また同時に「えっ、パッと消えてなくならないのは常識でしょ、違うの?」と、とても驚きました。 誤った前提や手法に基づいた調査研究で因果関係無しとされてしまっていることを裁判で覆すには、 (上記「原爆症訴訟」のページより) とあるように、それを原告側が立証しなければなりません。原告側には非常に重い負担です。 この4月に認定基準は見直されたものの、しかし番組にメインで登場する方(番組HP写真上の方)のように、その見直し基準にも満たず苦しんでいる人が多くいます。 番組を見終わって、さきの戦争について、知らないことがまだたくさんある、もっと知らなければ、とあらためて思うとともに、よく言われる「戦争はまだ終わっていない」という言葉の、その言葉の重さを感じました。そして、世界では新たな別の戦争紛争が次々と起きている現実を前に、8月の夏のこの季節にだけ思い出すのではだめなのだ・・・と、あらためて自戒したのでした。 そして昨夜、また新たな戦争勃発のニュースが・・・。 時事通信 2008/08/08-23:27 ロシアと戦争状態=「多数の人的被害」-グルジア大統領 http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2008080801042&=j1 時事通信 2008/08/09-07:12 初の本格交戦に=ロシア・グルジア軍-南オセチア住民1400人死亡か http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008080900075
by hyakuishou
| 2008-08-09 11:24
| よの中・ひとの中
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