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26日にIBAMAが出した「建設工事現場設営許可」をめぐる続報です。
公共省パラ州支部が許可差し止めを求めてIBAMAを提訴しました。 ○参照記事:O Estado de S.Paulo / 2011.1.27 MPF no Pará contesta autorização para Belo Monte 詳細は今晩にでもまた追記します。 ○世界規模の反ベロモンチ署名活動がAvaazによって展開されています: > 詳しくはこちらを ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします!(私も会員です) ○ベロモンチ水力発電所関連:これまでの記事の一覧> こちら 国際的な運動体「Avaaz」がベロモンチ水力発電所の建設反対を求めるウェブ署名を展開しています。
現在約38万筆。目標は50万筆。 ルラ大統領の後継者として、この1月に就任したばかりのジウマ・ルセフ大統領に提出される予定です。 Avaaz HP(日本語版) ベロモンチ水力発電所建設反対署名ページ(英語) STOP BELO MONTE—NO MEGA-DAM IN THE AMAZON ベロモンチ水力発電所建設反対署名ページ(ポルトガル語) PARE BELO MONTE: NÃO À MEGA USINA NA AMAZÔNIA ○ベロモンチ水力発電所関連:これまでの記事の一覧> こちら アマゾンのシングー河流域で建設が予定されているベロモンチ水力発電所について、動きがありました。
○ベロモンチ水力発電所関連:これまでの記事の一覧> こちら 昨日1月26日、IBAMA(環境省の下部機関)が建設現場の設営許可を出しました。これは「緑地抑制許可」と呼ばれるもので、これにより、建設機械や労働者宿舎などの設営、土砂や材木などの資材設置が可能になります。 政府は4月に建設工事開始の予定でおり、そのためには、あとはやはりIBAMAが出す「建設工事開始許可」を待つのみです。 今回の「工事現場設営許可」にサインしたのはIBAMA長官代理のAmérico Ribeiro Tunesアメリコ・リベイロ・トゥニス。IBAMAでは、1月12日に前長官のAbelardo Bayma Azevedoアベラルド・バイマ・アゼヴェアードが辞任したばかりでした。辞任の理由は「一身上の都合」とのことですが、一部報道では、本人が親しい友人に語った言葉として「ベロモンチ水力発電所の建設許可をめぐる圧力に耐えかねて」と言われています。 後戻りはもうできないのでしょうか....。 ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします!(私も会員です) 「私たちの声を聞いて」:ベロモンチ水力発電所に反対する先住民族たちの叫び で紹介したYou Tubeの映像『Povos do Xingu contra a construção de Belo Monte(ベロモンチ建設に反対するシングー地域の民族たち)』の中で、ひとりの先住民男性がこう言っていました。
「ダムを建設することだけが果たして唯一の方法なのだろうか。エネルギーを作り出すには別の方法があるはずではないのか」 別の方法ならば、ある。 その処方箋を示すのは、ほかでもない財界人や元政府閣僚たちです。ブラジルの全国紙O Estado de São PauloのWeb版記事からご紹介しましょう。 参照記事: ●Energia - mitos que custam caro (エネルギー - 高コストという神話) 2010.11.19 ●Brasil desperdiça três usinas de Belo Monte com bagaço de cana (ブラジルはサトウキビの絞りかすをベロモンチ発電所3基分むだにしている) 2010.6.11 ●Energia da cana vale 3 belo monte (サトウキビのエネルギーはベロモンチ3つ分) 2010.9.1 昨年11月、全国工業連合会(Confederação Nacional da Indústria-CNI)は、産業界全体で25%の消費エネルギー削減が可能だとする研究報告を発表した。冶金業界を手始めに、窯業、化学、製紙、セメント業界と順に取り組んで行く計画だ。 このエネルギー対策の方向性は、2006年に発表されたサンパウロ州立カンピナス大学(Unicamp)やWWFなどによる共同研究とも一致する。そこでは全国の消費エネルギー水準は現在の半分で十分可能だと結論している。この研究報告は現在、連邦立サンパウロ大学電気工学・エネルギー研究所の研究班によって査読が行われている。 消費削減分の内訳は次のとおり。 (1) 30%:エネルギーの保全と利用の効率化による分 (2) 10%:送電ロスの低減による分(現在、発電量の15〜17%が送電中に失われている) (3) 10%:旧式の発電設備の改善による分 ところが政府は7%の年間経済成長率が今後12年間続くとの前提のもとで、国民一人あたりのエネルギー消費量は12年間で2倍になると試算している。そのためには毎年 5.1ギガワット分の発電拡大が必要だ。 ※補足: 上記のカンピナス大学らによる研究班の班長の物理学者José Goldembergジョゼ・ゴールデンベルク氏は持続可能な開発における再生可能エネルギーの開発・推進を専門とし、科学技術庁長官(1990-1991年)や教育大臣(1991-1992年)、環境庁長官(1992年 ※リオで開かれた地球サミット開催時)などの政府閣僚も歴任してきた。アマゾン流域で次々と進められている水力発電所建設計画に対して、先住民の生活や自然環境に影響を及ぼす事に懸念を表明している。2008年、旭硝子財団のブループラネット賞を受賞。 ●ブループラネット賞歴代受賞者 - 旭硝子財団 また、元農業大臣(2003-2006年)で、現在はジェトゥリオ・ヴァルガス財団サンパウロ経済学校アグリビジネス・センターのコーディネータを務める農業学者のJoão Roberto Rodriguesジョアン・ホベルト・ホドリゲス氏は、バイオマス発電の潜在力を訴えている。ホドリゲス氏によれば、国内で発生するサトウキビのバガス(絞りかす)をすべて発電の燃料に活用した場合、総発電量はベロモンチ水力発電所3基分に匹敵すると言う。 ブラジルではサトウキビのバガスは既にエタノールや電気などの形で再生可能なエネルギーとして活用されており、国内のエネルギー原料全体に占める割合は17%にのぼる。好条件下で1トンのサトウキビから砂糖175キロとエタノール80リットルが生産でき、800キロの蒸留残渣と250キロの湿潤バガスが発生する。 従来、サトウキビ加工工場ではバガスは熱源として自家消費されて来たが、近年はコジェネレーションシステムを導入して電源としても活用する所が増えて来た。全国に434カ所ある砂糖・エタノール生産工場のすべてでエネルギーが自給されており、そのうち100カ所では売電も行われている。蒸留残渣はサトウキビ畑に施す液肥の材料として利用できる。サトウキビはゴミが出ない。 ホドリゲス氏は、発電設備導入への補助や逆潮流(売電)のための送電線の設置などのバガス発電の奨励策を政府は推進すべきだと訴える。そして政府のエネルギー戦略の不在を批判して、こう語る。「(ベロモンチ水力発電所建設予定地の)シングー河からはるばると送電線を引いて電気を持って来るよりも、サトウキビの大産地であるサンパウロ州やミナスジェライス州で、既にある資源を使って発電するほうが、よほど簡単で安上がりではないのか」。 ○ベロモンチ水力発電所関連:これまでの記事の一覧> こちら ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします!(私も会員です) 2009年10月28日から11月4日にかけて、カポト/ジャリナ先住民居住区内のピアラス村に先住民族が結集して、ベロモンチ水力発電所建設に反対する決起集会が開かれました。カヤポ族のラオーニ長老の呼びかけの元に、15民族、計284名のリーダーたちが集まって行われたものです。
○関連記事: アマゾンは「緑の砂漠」なのか? (2009.11.2) 「戦闘も辞さず」 アマゾン先住民たちの抵抗 (2009.11.5) そこに暮らす人びとに何の情報も提供せず、意見を聞くこともなしに、生存権を脅かすような巨大開発プロジェクトが進められています。それどころか鉱物エネルギー大臣は、反対の声を上げる先住民たちについて「邪悪な(悪魔的な)勢力が我々の国の進歩を邪魔している」と言い放ったのでした。(キリスト教国であるブラジルでは、このような表現は非常に強い侮蔑の意味があります) 先住民リーダーたちは集会の開催にあたり、鉱物エネルギー省、環境省、IBAMA、FUNAI、連邦公共庁のそれぞれの代表者が村に出向いて話し合いのテーブルに着くよう要求しました。しかし誰ひとり現れることはありませんでした。 ルラ大統領に当てた抗議文に、集会に参加した全員が署名を添えます。その手紙を託された5人の代表は、チャーターしたセスナ機に乗って首都ブラジリアへと旅立ちました。そして鉱物エネルギー省の建物の前で必死に訴えます。「私たちの声を聞いてほしい」と。しかし誰ひとり、政府の人間は現れませんでした。 国際環境NGO Greenpeace Brasilが、その一連の動きを映像に記録してYou Tubeに公開しています。ポルトガル語ですが、言葉はわからなくても彼らの必死の訴えは伝わってくるはずです。ぜひご覧下さい。 Filme - Povos do Xingu contra a construção de Belo Monte 映像 - ベロモンチ建設に反対するシングー地域の民族たち 部分的に訳出してみました [5:40あたり〜] ラオーニ長老の甥でカヤポ族リーダーのメガロン: 「彼らは私たちの生き方を知らない。私たちが何に依って生きているのかを知らない。私たちは河や森や大地に生かされている。森にはけものがいて私たちは狩りをし、河には魚がいて私たちは漁をする。そうやって私たちは生きている」 カヤポ族ラオーニ長老: 「ダムはいらない。なぜなら、私たちが命ある存在であるように、河もまた命ある存在として生き続けてほしいからだ。魚たちも、けものたちも、すべての生き物が平和に生き続けてほしい。だから私はダムを拒否する」 [8:20あたり〜] (※こちらに書いたように、発電所建設によって100キロの長さにおよぶ「シングー大蛇行」部分が干上がってしまえば、河の魚を主要な食料としている流域の先住民は生存権を脅かされることになります) ヤワラピティ族の女性たち: 「発電所ができれば魚はいなくなっていまう。どうやって生きていけばいいの。子どもたちはどうなるの」 「私たちはベジュー(キャッサバ芋の粉をパンケーキのように焼いたもの)と魚を食べて生きているの。魚がなければ生きていけない。シングー河が魚を与えてくれる。河は死ねば、私たちも死ぬ」 「河は私たちの命。もし河が干上がれば、私たちも一緒に死ぬことになる。河は私たちのすべて」 [14:30あたり〜] (※鉱物エネルギー省の建物外壁に集会の映像を映写しながら大臣に向かって呼びかけ続けますが、誰も現れませんでした) シャヴァンチ族代表: 「ここへすぐに下りて来い。テレビや新聞に向かって物を言うのではなく、ここで私たちの声を聞かなければならない。隠れるな」 カイアビ族代表: 「私たちは悪魔ではない。私たちには私たちの教養がある。ここに来て、私たちの権利をちゃんと見ろ。同じ人間同士として理解し合わなければならない」 シャヴァンチ族代表: 「私たちは人間だ。動物ではない。私たちは平和的にここにやってきた。話し合おう」 カヤポ族代表: 「私たちは手紙を携えて来た。出て来てくれ。手紙を受け取りに来い」 [17:30あたり〜] ヤワラピティ族の女性: 「彼らにはこうお願いしたいの。彼らは私たちを人間だとは思っていないけれど、そうではなくて、彼らと同じ人間として私たちを見てほしい、と。なぜなら私たちはこの大地に最初に住んだ人間なのだから。私たちのことを見てほしい。私たちを気にかけてほしい」 ブラジルの環境NGO Instituto Socioambiental(ISA 社会・環境研究所)スタッフ: 「先住民族が、このような巨大発電所の建設に反対する意義はほかにもある。自然の中で生きる彼らには、科学者すら持ち得ない自然に対する洞察力がある。自然に対する豊かな知識がある。さまざまなものが相互に関わり合って存在する自然のあり方への知識が。それはリスペクトされなければならない。少なくとも彼らの声を聞かなければならない。議定書の規定にあるから話を聞こう、ではなく、注意深く耳を傾けなければならない」 先住民の男性: 「ダムを建設することだけが果たして唯一の方法なのだろうか。エネルギーを作り出すには別の方法があるはずではないのか」 [18:45あたり〜] カマユラ族リーダー 「私たちの生きる地域を尊重してほしい。この自然が今のままの自然で残るように。地球温暖化と盛んに言われているけれど、自然だけが温暖化の影響を減らすことができるのではないのか」 カヤポ族リーダーのメガロン: 「いま建設されようとしているものは、たくさんの人びとの生活を脅かす。それは私たちインヂオだけではない。町のほうに暮らす、ほかの多くの人びとの暮らしも脅かされることになるだろう。私たちのように声を上げて叫ぶことのできない、たくさんの人びとがいる。しかし少なくとも私たちは、ここで声を上げ、我々の生活を脅かすなと叫ぶことができる。その姿を人びとに見せてやりたいんだ」 ヤワラピティ族の女性: 「私たちは自分たちの将来が心配でここに来ているのではないの。子どもたちの未来のために、ここにいる。この子たちの未来のために」 ○これまでの記事の一覧> こちら ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします! 以前ご報告したように、映画『アバター』のジェームズ・キャメロン監督がベロモンチ水力発電所建設反対運動を展開しています。
今年3月27日-28日にブラジル・アマゾナス州の州都マナウスで開催された「国際持続性フォーラム」でキャメロン監督は基調講演を行い、ベロモンチ発電所の問題を訴えました。その後、監督は女優シガニー・ウィーバーと共に発電所建設計画によって生活を脅かされている先住民の村々を訪問する旅を行っています。 詳しくは、これらの記事を: アマゾンの森はパンドラ、アマゾンの民はナヴィ?(2010.3.31) 【速報2】キャメロン監督、アマゾン巨大水力発電所反対キャンペーンを展開(2010.4.15) この時の旅で製作されたキャンペーン映像を、国際環境NGO Amazon WatchがYou Tubeに公開しています。(ラオーニ長老の姿も少しですが登場します) A Message From Pandora BROLL: James Cameron visits the Xingu River in Brazil with Amazon Watch 「A Message From Pandora」のメイキング映像 Defending the Rivers of the Amazon, with Sigourney Weaver ベロモンチ水力発電所の位置や構造、およぼす影響等が衛星写真や地図に重ね合わせて、わかりやすく解説されています。こちらの記事と合わせてご覧ください。 ○これまでの記事の一覧> こちら ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします! ベロモンチ水力発電所の問題は、自然環境や社会環境に与える影響だけではありません。
12月23日、環境NGOのInternational RiversとAmigos da Terra - Amazônia Brasileiraが共同で一冊の報告書を発表しました。Santander銀行の協力を得てシミュレーション分析を行ったもので、「ベロモンチ水力発電書建設への投資は、結果として損害をもたらすことになるだろう」と結論づけています。 ベロモンチ水力発電所は最大出力が11,233 MW、世界第三位の巨大発電所です。しかし乾季は水位が大きく下がることから、年間平均出力は4,420 MWにとどまる見込みです。これは最大出力の39%に過ぎません。また、政府は建設費を190億レアル(約9千億円)と試算していますが、市場の実勢相場では300億レアル(約1兆4600億円)に膨れあがると予測されます。 コストと生産力が非常にアンバランスなシミュレーション結果から、この発電所建設計画は経済的にも大きな問題をはらんでいるといえる....というのが報告書の趣旨です。 ベロモンチ水力発電所は民営事業 ベロモンチ水力発電所は、コンソーシアムが資金を調達して発電所を建設し、発電した電気の売却によって原価償却を行い利益を得る、という仕組みです。 4月に行われた入札は発電所経営の独占事業権をめぐるものでした。参加した2つのコンソーシアムのうち、「78レアル/MWh(約3800円)」という数字を提示したNorte Energiaコンソーシアムが独占事業権を落札。発電所の稼働開始後、独占事業者は、発電した電気のうち80%をこの価格で政府に売却しなければなりません。なお残り20%の電気は市場で自由に売却することができます。 入札は差し止め提訴合戦の隙を突く形で、ばたばたと実行されました。Norte Energiaコンソーシアムは落札価格について「市場分析の裏付けもなく咄嗟に出した数字」と述べており、実際、落札終了後早々に、参画した民間企業のうちいくつかが「経済性に不安あり」を理由にコンソーシアムを脱退しています。 なお政府は独占事業者に対して、巨額融資や免税措置等の様々な優遇策を提示して発電所建設を後押ししています。しかしその財源の問題など、懸案事項は山積みです。 ○報告書要約(英語/pdf) Executive Summary - Mega-project, Mega-risks Risk Analysis for Investors in the Belo Monte Hydroelectric Complex ○報告書全文(ポルトガル語/pdf) Mega-projeto, Mega-riscos: Análise de Riscos para Investidores no Complexo Hidrelétrico Belo Monte ○報告書に関するページ - International Rivers(英語) Documenting Belo Monte Dam's Risks: Buyer Beware ○報告書に関するページ - Amigos da Terra - Amazônia Brasileira(ポ語) Investir em Belo Monte pode resultar em prejuízo, diz relatório ○これまでの記事の一覧> こちら ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします! 4月以降、長らくご報告が途絶えたままでごめんなさい。
※アマゾンに建設が予定されている巨大水力発電ダム「ベロモンチ水力発電所」建設問題に関する、これまでの記事の一覧> こちら これまでの動き: 発電所とダムの規模について ■アマゾンは「緑の砂漠」なのか? (末尾に水力発電ダム建設反対署名のお願いあり) ■工事入札前夜に「インヂオの日(4/19)」を祝おう 2009年の動き ■アマゾン・巨大水力発電所計画 まとめと続報 2010年4月までの動き ■2010年2月1日:IBAMA(*1)が環境アセスメントを承認。 ■その後、アセスの差し止めをめぐって提訴合戦が続いた。 Ministério Público(*2)が環境アセス承認の差し止めを求めて提訴→差し止め令が出る→政府が差し止め令の停止を求めて反訴→停止令が出る→再び差し止めを求めて提訴→再び差し止め令が出る→再び反訴→ .... と繰り返したあげく、 ■2010年4月20日:差し止め令を無効とする2度目の司法判断が出た ■その日のうちに、発電所経営の独占事業者を決定するための競争入札が実施された。2つのコンソーシアムが応札し、うち「Norte Energiaコンソーシアム」が落札した。 (*1):ブラジル環境・再生可能天然資源院:環境省の下部組織で、ここが環境アセスメントの承認を行う。 (*2):公共省:憲法が保障する権利に反する事案等について市民からの委任を受けて行政訴訟などを行う、3権から独立した機関。 その後の動き: 来年4月に工事着工か? 次にIBAMAが工事着工許可を出してはじめて「工事現場の設営〜工事着工開始」が可能となります。政府は「9月に許可出〜着工」と見込んでいましたが、その時期にIBAMA職員のストライキが長引いた(ベロモンチ問題とは無関係)せいなどもあって、まだ許可は出ていません。現在、政府は「2011年4月には着工、2015年2月に発電所稼動開始」と見込んでいます。 公共省がIBAMAに着工許可申請の却下を申し入れ 2010年2月にIBAMAは環境アセスを承認しましたが、それは「工事着工までに解決せよ」との66項目におよぶ条件付きの暫定的許可でした。2010年10月、公共省は、「条件が遵守されない限り着工許可を出してはならない」との申し入れをIBAMAに対して行いました。 付帯条件としては、発電所建設地とその周辺地域において学校や診療所、上下水道等のインフラを完備することなどがあげられています。 NGO連合が米州機構(OAS)に訴え 2010年11月、5つのNGOが連合して米州機構(OAS)・人権委員会に「発電所建設中止勧告を出してほしい」と訴えました。「発電所の建設によって流域の先住民族の生存権が脅かされるにもかかわらず、ブラジル政府はそれに配慮していない」との理由によるものです。 ○米州機構とは> 米州機構(OAS)概要 - 外務省 職を求めて人びとが押し寄せる インフラ整備が手つかずのまま、建設工事が生み出すことになる雇用機会を求めて、早くも人の波が押し寄せつつあります。今年1月から11月までの求職者数は昨年と比べて615%増となりました。BNDES(経済社会開発国立銀行)は、建設工事に伴って1万8700件の直接的雇用と2万3000件の間接的雇用が発生すると見込んでいます。 そうしてひとつの小都市がジャングルに出現することになります。ですが、それだけの人口を支える都市のインフラ整備は未定のままです。食料の調達は? 下水などの処理は?....周辺の森や河で狩りや漁の圧力が高まり、また河川や地下水は排水で汚染されてしまいかねません。流域に暮らすインヂオの人たちにとって発電所の建設は、直接的にも間接的にも生活環境の重篤な破壊をもたらすと懸念されます。 BNDES(経済社会開発国立銀行)が11億レアルの融資を決定 12月22日、BNDESは、コンソーシアムに対して10億8700万レアル(約530億円)を融資することを決定しました。これは工事現場設営や建設機械等の購入にかかる費用に対する融資とされています。 公共省がBNDES(経済社会開発国立銀行)に質問書を送付 「融資はグリーン・プロトコルに違反」 BNDESの融資決定の報を受けて公共省は12月23日、BNDESに対して17項目の質問書を送付しました。発電所建設がおよぼす社会的・環境的被害を緩和または補償するためにかかるコストや、環境アセス承認時の付帯条件を遵守するためにかかるコストなどについて明らかにするよう求めるとともに、融資を受ける共同企業体が条件を遵守しなかった場合はBNDESとしてどのような立場を取るのか等について公式見解を求めています。 BNDESは2008年に「社会・環境のための議定書(通称:グリーン・プロトコル)」に署名しています。この議定書は、社会環境や自然環境に対して回復不能な損害を与える事業への融資を禁じています。 ○質問書 全17項目は、こちらに(ポルトガル語) MPF questiona BNDES sobre financiamento de Belo Monte - 24/12/2010 (環境NGO「Amigos da Terra - Amazônia Brasileira」サイト内ページ) 最後に明るい話題をひとつ... ライト・ライブリフッド賞を受賞 シングー河流域においてベロモンチ水力発電所反対運動に長年取り組んで来たオーストリア出身のカトリック神父、Erwin Kräutlerが、12月7日、ライト・ライブリフッド賞を受賞しました。 同賞は「もうひとつのノーベル賞」とも称される国際的な賞です。 ○ライト・ライブリフッド賞 - Wikipedia ○The Right Livelihood Award 公式サイト Erwin Kräutler神父紹介ページ ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします! 昨夜「速報」を書いたあとも現地新聞Web版にはニュースが次々と配信され続け、もうキリがない、寝るべ〜とダウン。昨夜未明(現地20日午後)からの動きをざっと報告すると....。
4月20日13時すぎ(現地時間・以下同)、工事入札が実施される(電子入札)。 参加したのは2つの共同企業体。 入札終了後、三回目の差し止め令が12時過ぎに出ていたことが発表される(市民団体が提訴していたものに対する裁定)。 政府は即刻、差し止め令の停止を求めて反訴。 15時過ぎ、3度めの差し止め無効令が出る。 無効令を受けて、政府は入札結果を発表。 Chesf(国営企業)、Queiroz Galvão(民間企業)が率いる共同企業体(全9社)が、77.97レアル/MWhで入札した。政府が提示していた上限価格・83レアル/MWhとの差異およそ6%。 Ministério Públicoは「差し止め令が出た段階で法令に従って、すみやかに入札を中止すべきだった」と政府を批判。政府は「差し止め令が出たことは入札終了後に知った」と弁明。Ministério Públicoは入札の無効化を求めることを視野に入れて経緯の調査を開始。 Queiroz Galvãoが共同企業体からの離脱を発表。 理由は「入札価格が低すぎるので断念したい」。 21日、政府は、「入札参加を断念した企業や入札に負けた企業が建設工事業務に加わることを認める」と発表。さっそくいくつかの企業(国営、民間含め)が名乗りを上げています。 (.....なんのための入札なのやら。出来レース?) インヂオ、Greenpeace、MST(土地無し農民運動 ※現政権党・労働者党の重要な支持母体)、ダム建設によって影響を受ける住民たちの団体が、ブラジリアのAneel(国家電気エネルギー庁 ※工事入札の実施者)建物前で示威行動を行いました。 その写真がO Estado de SP紙に出ています(9枚)>こちら ルラ大統領は入札が成功裏に終わったことに上機嫌で、こう語りました。 「ブラジルは成長しなければならない。それには電源開発が必要である。ベロモンチは、安く、しかもクリーンなエネルギーを供給することのできる、すばらしい発電所となるだろう」 本当に"安い"のか、本当に"クリーン"なのかについては、これまでも書いたように、大きな疑義が呈されています。(このあたりの記事を参照) あっけに取られるような提訴合戦ですが(まだまだ続く??)、これまでこの件にほとんど注目していなかったブラジル国内の世論が、おかげで喚起されたという面もあるように思います。誰も知らない、誰も興味も持たないところで、ひっそりとインヂオの人たちの尊厳や生存権が奪われて行くのは哀しすぎる。 ※記事欄外の[Tags.ベロ・モンチ水力発電所]をクリックすると、これまでの関連記事一覧が表示されます。 たった今、現地メディアに「2度目の差し止め令を無効とする裁定が出た」との速報が出ました(現地時間4月20日12:20)。政府はこれを受けて、「これから40分以内に工事入札を開始する」と発表しました。
当初、4月20日12時に予定されていた工事入札。紆余曲折の末、結局は、ほぼ予定通りに実施される見込みです。 ブラジルの司法制度がよくわからないのですが(※)、この提訴合戦がまだ続くのかどうか、成り行きを見守りたいです。 (※)2回の差し止め令の両方とも、連邦裁判所アウタミラ支部(発電所建設予定地近くの小都市)が出したもののようです。2回の差し止め無効令は両方とも、連邦裁判所ブラジリア支部から。 < 前のページ次のページ >
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