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2009年10月28日から11月4日にかけて、カポト/ジャリナ先住民居住区内のピアラス村に先住民族が結集して、ベロモンチ水力発電所建設に反対する決起集会が開かれました。カヤポ族のラオーニ長老の呼びかけの元に、15民族、計284名のリーダーたちが集まって行われたものです。
○関連記事: アマゾンは「緑の砂漠」なのか? (2009.11.2) 「戦闘も辞さず」 アマゾン先住民たちの抵抗 (2009.11.5) そこに暮らす人びとに何の情報も提供せず、意見を聞くこともなしに、生存権を脅かすような巨大開発プロジェクトが進められています。それどころか鉱物エネルギー大臣は、反対の声を上げる先住民たちについて「邪悪な(悪魔的な)勢力が我々の国の進歩を邪魔している」と言い放ったのでした。(キリスト教国であるブラジルでは、このような表現は非常に強い侮蔑の意味があります) 先住民リーダーたちは集会の開催にあたり、鉱物エネルギー省、環境省、IBAMA、FUNAI、連邦公共庁のそれぞれの代表者が村に出向いて話し合いのテーブルに着くよう要求しました。しかし誰ひとり現れることはありませんでした。 ルラ大統領に当てた抗議文に、集会に参加した全員が署名を添えます。その手紙を託された5人の代表は、チャーターしたセスナ機に乗って首都ブラジリアへと旅立ちました。そして鉱物エネルギー省の建物の前で必死に訴えます。「私たちの声を聞いてほしい」と。しかし誰ひとり、政府の人間は現れませんでした。 国際環境NGO Greenpeace Brasilが、その一連の動きを映像に記録してYou Tubeに公開しています。ポルトガル語ですが、言葉はわからなくても彼らの必死の訴えは伝わってくるはずです。ぜひご覧下さい。 Filme - Povos do Xingu contra a construção de Belo Monte 映像 - ベロモンチ建設に反対するシングー地域の民族たち 部分的に訳出してみました [5:40あたり〜] ラオーニ長老の甥でカヤポ族リーダーのメガロン: 「彼らは私たちの生き方を知らない。私たちが何に依って生きているのかを知らない。私たちは河や森や大地に生かされている。森にはけものがいて私たちは狩りをし、河には魚がいて私たちは漁をする。そうやって私たちは生きている」 カヤポ族ラオーニ長老: 「ダムはいらない。なぜなら、私たちが命ある存在であるように、河もまた命ある存在として生き続けてほしいからだ。魚たちも、けものたちも、すべての生き物が平和に生き続けてほしい。だから私はダムを拒否する」 [8:20あたり〜] (※こちらに書いたように、発電所建設によって100キロの長さにおよぶ「シングー大蛇行」部分が干上がってしまえば、河の魚を主要な食料としている流域の先住民は生存権を脅かされることになります) ヤワラピティ族の女性たち: 「発電所ができれば魚はいなくなっていまう。どうやって生きていけばいいの。子どもたちはどうなるの」 「私たちはベジュー(キャッサバ芋の粉をパンケーキのように焼いたもの)と魚を食べて生きているの。魚がなければ生きていけない。シングー河が魚を与えてくれる。河は死ねば、私たちも死ぬ」 「河は私たちの命。もし河が干上がれば、私たちも一緒に死ぬことになる。河は私たちのすべて」 [14:30あたり〜] (※鉱物エネルギー省の建物外壁に集会の映像を映写しながら大臣に向かって呼びかけ続けますが、誰も現れませんでした) シャヴァンチ族代表: 「ここへすぐに下りて来い。テレビや新聞に向かって物を言うのではなく、ここで私たちの声を聞かなければならない。隠れるな」 カイアビ族代表: 「私たちは悪魔ではない。私たちには私たちの教養がある。ここに来て、私たちの権利をちゃんと見ろ。同じ人間同士として理解し合わなければならない」 シャヴァンチ族代表: 「私たちは人間だ。動物ではない。私たちは平和的にここにやってきた。話し合おう」 カヤポ族代表: 「私たちは手紙を携えて来た。出て来てくれ。手紙を受け取りに来い」 [17:30あたり〜] ヤワラピティ族の女性: 「彼らにはこうお願いしたいの。彼らは私たちを人間だとは思っていないけれど、そうではなくて、彼らと同じ人間として私たちを見てほしい、と。なぜなら私たちはこの大地に最初に住んだ人間なのだから。私たちのことを見てほしい。私たちを気にかけてほしい」 ブラジルの環境NGO Instituto Socioambiental(ISA 社会・環境研究所)スタッフ: 「先住民族が、このような巨大発電所の建設に反対する意義はほかにもある。自然の中で生きる彼らには、科学者すら持ち得ない自然に対する洞察力がある。自然に対する豊かな知識がある。さまざまなものが相互に関わり合って存在する自然のあり方への知識が。それはリスペクトされなければならない。少なくとも彼らの声を聞かなければならない。議定書の規定にあるから話を聞こう、ではなく、注意深く耳を傾けなければならない」 先住民の男性: 「ダムを建設することだけが果たして唯一の方法なのだろうか。エネルギーを作り出すには別の方法があるはずではないのか」 [18:45あたり〜] カマユラ族リーダー 「私たちの生きる地域を尊重してほしい。この自然が今のままの自然で残るように。地球温暖化と盛んに言われているけれど、自然だけが温暖化の影響を減らすことができるのではないのか」 カヤポ族リーダーのメガロン: 「いま建設されようとしているものは、たくさんの人びとの生活を脅かす。それは私たちインヂオだけではない。町のほうに暮らす、ほかの多くの人びとの暮らしも脅かされることになるだろう。私たちのように声を上げて叫ぶことのできない、たくさんの人びとがいる。しかし少なくとも私たちは、ここで声を上げ、我々の生活を脅かすなと叫ぶことができる。その姿を人びとに見せてやりたいんだ」 ヤワラピティ族の女性: 「私たちは自分たちの将来が心配でここに来ているのではないの。子どもたちの未来のために、ここにいる。この子たちの未来のために」 ○これまでの記事の一覧> こちら ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします!
by hyakuishou
| 2010-12-27 00:00
| アマゾン/先住民
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