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『平和を考えよう(全2巻)』小学校高学年~中学生向けの本です。詳しくは > こちら おすすめ記事 ●電気柵が守る村にて ●人は自然に託して物語を紡ぐ ●飯舘村から思いをつなぐ ●春よ、春よ ●落ち葉も輸入?! - セシウム汚染腐葉土のニュースに思うこと ●ペシャワール会・伊藤和也さんの死に思う おすすめシリーズ ●[里山暮らし]与那国馬タックとの日々 ●[里山暮らし]炭窯&奥谷津棚田—長老たちとの日々 ●[スピリチュアル?]ぐだぐだ考えてみた ●[ブラジルHIV+アクティビスト]アラウージョ全国講演旅行2011報告記 ●[ブラジル・リオ&サンパウロ]ファベーラ(スラム)をへめぐる ●[アマゾンと先住民]カヤポ族 呪術師長老ラオーニ、日本を行く2007 ●[アマゾンと先住民]ベロモンチ水力発電所建設問題 別館 ●日本の文化・旅をブラジルへ発信するポルトガル語サイト Curtindo o Japão ●関連記事 コンタクト --> こちらから 以前の記事
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10/25(土) 14:00-16:00 公開講座 in 丸の内
「里山人×アマゾン先住民 -ともに語りあう地球のもうひとつの未来」 過疎化が進む日本の里山と、破壊が進むアマゾン熱帯林。そして、そのどちらでも失われつつある、自然と共に生きる暮らしの知恵。「開発か自然か」「都市か農村か」「現代文明か伝統文化か」ではない、いずれの価値をも融合していく地球の「もうひとつの未来」を、異色の顔ぶれで語り合いながら、アマゾン熱帯林と先住民の暮らしの重要性への理解を深め、参加者の皆さまと問題意識を共有します。 [内容] ●アマゾンの森と先住民の現状 南 研子氏(NPO法人 熱帯森林保護団体代表) ●トーク「日本の里山人×アマゾン先住民」 林 良樹氏(NPO法人うず代表/千葉県鴨川市) ベポ・メトゥティレ氏(カヤポ族青年リーダー) ●アマゾンからのメッセージ ラオーニ・メトゥティレ氏 (カヤポ族大長老) [参加費無料・要予約] [共催] 千葉商科大学 政策情報学部, NPO法人 熱帯森林保護団体 [協力] 株式会社良品計画 くらしの良品研究所 予約方法等、詳細は > こちら ------ 鴨川のなかま林良樹さんが都市農村交流プログラムを共に展開している「くらしの良品研究所」の方々との話し合いの中から、この企画が生まれました。 ぜひお出かけください。お待ちしています! 企画コーディネータ 下郷さとみ (長老たちをお迎えに、ただいまブラジル滞在中) ▲
by hyakuishou
| 2014-10-07 22:31
| アマゾン/先住民
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今日の朝日新聞日曜版「GLOBE」に、「特集・変貌するアマゾン」と題して、現地取材したリポートが出ていた。8月にサンパウロに住む日系ブラジル人の友人から「朝日新聞の仕事が入ってるのよねー」と聞いていたのは、そうかこれだったのか。(記事の末尾に彼女の名前がリサーチャーとして載ってマス)
リポートは、こちらで読めます 変貌するアマゾン - 朝日新聞 GLOBE 2012.10.21 記事中出てくるベロモンチ水力発電所の問題やアマゾン熱帯林やセラードや先住民については、当ブログでも少し書いているので、参考にしてみてください。ブログ左側の「おすすめ」の「アマゾンと先住民に関するシリーズ」や、カテゴリ「アマゾン/先住民」やタグ「セハード/セラード」などから飛べます。 (最近全然フォローできていない。すいません) 先日、大阪にある関西よつ葉連絡会という生活協同組合から依頼されて「ブラジルのアマゾンと大豆」について書いたものがあるので、以下に貼り付けてみます。 資料やデータなら、いくらでもポルトガル語の原典にあたれるけれど、「アマゾンと大豆」そのものの現場を取材した経験はないので、NPO法人 熱帯森林保護団体(RFJ)のおふたりのコメントもまじえて書きました。 記事の末尾でも触れたように、RFJのおふたりは今年も今月末にアマゾンへ出発します。いろいろな意味で命がけの旅....どうかご無事で! --------------------- ニュースレター「よつばつうしん10月号」掲載 [視点・論点] 高度成長の影ー環境破壊と格差拡大 ブラジル大規模大豆栽培の現状 ジャングルを切り開いて刻まれた一本道の両側に、見渡す限りどこまでも大豆畑が続く――。NPO法人「熱帯森林保護団体(RFJ)」代表の南研子さんは、こんな風景が年々拡大していくさまを肌で感じてきた。アマゾンの保護と先住民族の支援活動のため毎年現地を訪れる南さんは、「行くたびにジャングルが遠くなっている」と嘆く。 ブラジル中央部のセラード(=サバンナ/熱帯草原)から北上するに従って、生態系は徐々にアマゾン熱帯林へと移りかわっていく。ブラジルの農業開発最前線として、いま急激に変貌をとげているのが、まさにこの地域だ。主要作物は大豆。全国生産の半分をこの地域が担う。農場1軒の規模は数百から数千ヘクタールにもおよぶ。オウロ・ヴェルジ(緑の金)の異名をそのままに、大豆は、ゴールドラッシュのような熱気をこの地にもたらしている。 数年前にサンパウロで知り合った若い建築家は、セラードの大豆畑地帯の真ん中に町をひとつ作り出す巨大プロジェクトをまかされたと、目を輝かせていた。見せてくれた計画図には、大学やショッピングモール、リッチな住宅群が整然と並んでいた。各家にはプールやホームシアターが標準装備され、大豆がもたらす富の大きさに驚かされた。 セラード開発の国家プロジェクトが始まったのは、1970年代半ば。79年から2001年にかけては、日本政府も自国への大豆の安定供給を目的に、ODAを投入して開発事業に加わっている。セラード開発はブラジルをアメリカに次ぐ世界第2位の大豆生産大国に押し上げた。そして、その成功をバネに、「大豆前線」はアマゾンへと北上を続けている。 ブラジルの今年の大豆生産量は6875万トン。南部の干ばつの影響で昨年の8.7パーセント減となったものの、中央部では豊作にわいた。トウモロコシやコメなどを含む穀物全体では、今年ブラジルは過去最高の生産を記録している。また遺伝子組み換え品種が占める割合は、今年は大豆では85パーセント、トウモロコシでは83パーセントにまで達した。 なお、昨年の日本の大豆総輸入量は282万トン。最大の輸入先はアメリカ(189万トン)で、ブラジル(53万トン)、カナダ(35万トン)と続く。日本ではブラジル産大豆は、搾油や畜産飼料の原料に利用されている。 春をむかえた9月。ブラジルでは来季の大豆の播種が始まった。来年の収穫量は8200万トンを予測し、いよいよアメリカを抜いて世界一だと業界は活気づいている。農地拡大を原動力に、世界の食料庫のトップを目指してやまない。なにしろセラードだけでも開発可能な未開拓地が80万平方キロも残るとされる。 「不毛の大地」と形容されることが多いセラードだが、そこには「役に立たない土地を農業開発で緑の沃野に変える」というイメージがあるのかもしれない。しかしアフリカの雄大なサバンナを「不毛の地」と呼ぶ人はいないように、セラードもまた固有の豊かな生態系を持つ場所だ。先住民族の生活の場でもある。 RFJの支援地のひとつに、セラードとアマゾンにまたがるシングーインディオ国立公園(面積2万6000平方キロ)がある。周囲を大豆畑で囲まれ、いまではすっかり陸の孤島と化してしまった。同公園は先住民の居住権が法的に認められた場所のひとつ。南さんは「彼らの存在が、ぎりぎりのところで森林の破壊をくい止めている」という。しかし周囲を囲い込まれた結果、彼らの命の糧である狩りの獲物や河の魚が減り、また水源のいくつかが枯れてしまったそうだ。 政府のアマゾン熱帯林衛星監視システムによれば、昨年1年間に伐採された面積は6418平方キロ。栃木県ひとつ分の森が消えたことになる。これまでのアマゾンの消失面積は元の面積の20パーセント近くに達し、セラードはすでにその半分を失った。 高度成長が続くブラジルでは、全人口の3割とされる貧困層の生活の底上げが進んでいる。03年に初の左派政権が誕生して以来、貧困対策も進んだ。20年前からサンパウロやリオデジャネイロのスラムに通い続けながら、近年の変化を確かに実感している。ならば「開発か環境保護か」の答は明白なのだろうか? しかしブラジル人の日々の食卓に目をやれば、主な食料の60パーセントが零細な家族的農業によるものだ。ブラジルでは農業人口の84パーセントが家族的農業に従事している。しかしその耕作面積の合計は、農地全体の24パーセントにすぎない。ブラジルでは、大都市の人口の2割近い人がスラムに暮らす。住民の第一世代は、貧しい農村にルーツのある人たちだ。小作農や大農場の労働者として貧困にあえぎ、生きるすべを求めて大都市へと流れてきた。 大豆を筆頭とする巨大アグリビジネスが、一部の富裕層や多国籍企業が富を独占するだけのものになってはならない。激しい格差を目の当たりにし続けて来て、強くそう思う。 RFJ事務局長の白石絢子さんは、大学院を出たばかりの05年、南さんに同行してはじめてアマゾンを訪れた。それから東京と貨幣経済すらまだない先住民の村とのギャップを行き来するたびに、「自分が生きている社会のあり方だけがすべてではないと教えられる」という。そしてこうも願っている。「ふだん口にする食べ物がどこから来たのか、その食べ物の向こうに何があるのかを知る大切さを伝えていきたい」。 南さんと白石さんは10月末に再びアマゾンへと向かう。ジャングルがまだそこにあることを祈りつつ。 ---- ▲
by hyakuishou
| 2012-10-21 10:29
| 書くしごと
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いったい、どっちやねん! という話。
「最後の楽園」と「不毛の大地」 ずいぶんと両極ではありませんかい。 2月6日、NHKで、ブラジルのセラード(Cerrado セハード=サバンナ地帯)とそこにすむ生き物たちにフォーカスしたドキュメンタリーが放送される。 2月6日(日) 21:00〜21:58 NHK総合テレビ NHKスペシャル <ホットスポット 最後の楽園> 第2回 ブラジル・セラード 〜光る大地の謎〜 ○シリーズHP ○「第2回 ブラジル・セラード」のページ アフリカの雄大なサバンナの写真や映像ならば、誰もがなじみ深いのではないかと思う。セハードは同じく南米のサバンナで熱帯草原のことだ。ただ、セハードには、アフリカのサバンナとは違ってガゼルやインパラ、シマウマなどの大型の草食動物が存在しない。ではセハードの草を食べる(=草を分解する)役目を担っているのは誰? というお話を軸に、ユニークで、とても貴重なセハードの生態系をひも解く内容となっている...らしい。 シリーズ初回のプロローグ編を見た。セハード、美しく、見事だ。まさに「最後の楽園」。 タイトルに付いた「最後の」という修飾語は、ここでは特に深い意味はないと思う(※追記へ)。しかし実際にはセハードは本当に「最後の」楽園になりつつある。 生態系という視点で見れば「楽園」であっても、開発という視点で見ればそれは全く違うものになる。平たく、地平線までどこまでも開けたセハードの“何もない”大地は、大豆などの輸出用作物の大プランテーションに格好の場所として、どんどん開発が進められている。自国の低い穀物自給率に危機感を持つ日本もまた「セハードを日本の食料庫に!」と、セハード開発にODAを注ぎ込んで来た。 セハードと言えば、そんな開発の文脈の中で、常に或る枕詞を付けて語られて来たのだ。——「不毛の大地」と。 たとえば昨年11月3日の朝日新聞の社説、「ブラジル 南の大国、ともに進もう」と題した文中でもこう記されていた。——「日本の協力でブラジルに製鉄所が作られたり、不毛の地だった内陸のセラード地帯が世界有数の穀倉地帯になるなど、蜜月の時期もあった。」 いや、べつに「開発絶対反対!」とナイーブなことを言いたいわけではないのだけれど。 ただ、「セハードといえば不毛の地でしょ」みたいな、ただの条件反射みたいに枕詞をくっつける、そういうセンスがいやなのだ。「セハード開発関係の人たちが“不毛の地”と呼んでいたからセハードのことは不毛の地と呼びます」みたいな、そういう単純さ。 日本のODAによるセハード開発の成功をもとに、今度はブラジルと日本が共同でモザンビークにおける農地開発支援に乗り出している。サバンナを穀倉地帯に変える、という計画だ。 テレビでおなじみのアフリカのサバンナの景色を眺めながら、「なんて雄大なアフリカの大地」「大自然ってすばらしい」と感嘆こそすれ、「不毛の大地だよね」「そうだよね」なんて、そんな言い方は普通はあり得ないよね。けれどセハードは、日本ではアフリカサバンナみたいに有名ではないから、あんな枕詞をくっつけられて、それは剥がせないほどに一体化してしまうのか? 「人口増加により村の耕作地が拡大して野生生物の生活域を圧迫」というアフリカ発のニュースはこれまでもよく見聞きしたことがある。ゾウやシマウマやキリンやライオンは可愛いしカッコいい動物だから、「可哀想」「まもってあげなきゃ」なのか。セハードのシロアリやオオアリクイじゃあ、いまいちなのか? 何事も視点の置き方、価値観の持ち方次第で如何様にも見える。それはまあ当たり前のことだ。ブラジルの開発推進派の政治家の中には、アマゾンを「緑の砂漠」と憎々しげに呼ぶ人間すらいる。彼らの目にはアマゾンの豊かなジャングルも、ただの不毛の地にしか見えないのだろう。 けれど、人間の経済活動やその時どきの価値観など、生態系の時間軸の中で考えれば、ほんの一瞬のものに過ぎない。地球という大きな生態系、大きな時間軸の中で、人間という要素が占める場所はほんのわずかだ。人間が知っていることは、まだほんのわずかにすぎない。そんな人間の都合や価値観とは関係のないところで存在している自然を、人間の目先の都合や価値観で破壊してしまえば、そのしっぺ返しが返って来る先は他でもない、自分たち人間自身なんじゃないだろうか。 人類の飢餓を解消するためには農地開発が必要だ、という意見はあるだろう。人類の飢餓と自然破壊とどっちを選ぶと問われたら、自然破壊のほうを取る。けれど、いま、セハードやアマゾンを破壊して栽培されているものは何で、それは何のためのものだろうか。それがなければ人類が飢餓に陥ってしまうような、絶対に必要不可欠なものだろうか。少なくとも、ブラジルの庶民の人たちのお腹を膨らませるためのものではないのは確かだ。そういう話はまたあらためて書いてみたい。 (2/6:番組を視聴しての追記) 「最後の」には確かに意味が込められていました。 「自然賛歌」だけでは終わらせなかったところが、私としては良かったなあと思いました。 ○セラード関連記事の一覧> こちら ▲
by hyakuishou
| 2011-02-04 01:55
| 農・食・環境
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26日にIBAMAが出した「建設工事現場設営許可」をめぐる続報です。
公共省パラ州支部が許可差し止めを求めてIBAMAを提訴しました。 ○参照記事:O Estado de S.Paulo / 2011.1.27 MPF no Pará contesta autorização para Belo Monte 詳細は今晩にでもまた追記します。 ○世界規模の反ベロモンチ署名活動がAvaazによって展開されています: > 詳しくはこちらを ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします!(私も会員です) ○ベロモンチ水力発電所関連:これまでの記事の一覧> こちら ▲
by hyakuishou
| 2011-01-28 09:25
| アマゾン/先住民
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国際的な運動体「Avaaz」がベロモンチ水力発電所の建設反対を求めるウェブ署名を展開しています。
現在約38万筆。目標は50万筆。 ルラ大統領の後継者として、この1月に就任したばかりのジウマ・ルセフ大統領に提出される予定です。 Avaaz HP(日本語版) ベロモンチ水力発電所建設反対署名ページ(英語) STOP BELO MONTE—NO MEGA-DAM IN THE AMAZON ベロモンチ水力発電所建設反対署名ページ(ポルトガル語) PARE BELO MONTE: NÃO À MEGA USINA NA AMAZÔNIA ○ベロモンチ水力発電所関連:これまでの記事の一覧> こちら ▲
by hyakuishou
| 2011-01-27 22:33
| アマゾン/先住民
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アマゾンのシングー河流域で建設が予定されているベロモンチ水力発電所について、動きがありました。
○ベロモンチ水力発電所関連:これまでの記事の一覧> こちら 昨日1月26日、IBAMA(環境省の下部機関)が建設現場の設営許可を出しました。これは「緑地抑制許可」と呼ばれるもので、これにより、建設機械や労働者宿舎などの設営、土砂や材木などの資材設置が可能になります。 政府は4月に建設工事開始の予定でおり、そのためには、あとはやはりIBAMAが出す「建設工事開始許可」を待つのみです。 今回の「工事現場設営許可」にサインしたのはIBAMA長官代理のAmérico Ribeiro Tunesアメリコ・リベイロ・トゥニス。IBAMAでは、1月12日に前長官のAbelardo Bayma Azevedoアベラルド・バイマ・アゼヴェアードが辞任したばかりでした。辞任の理由は「一身上の都合」とのことですが、一部報道では、本人が親しい友人に語った言葉として「ベロモンチ水力発電所の建設許可をめぐる圧力に耐えかねて」と言われています。 後戻りはもうできないのでしょうか....。 ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします!(私も会員です) ▲
by hyakuishou
| 2011-01-27 22:19
| アマゾン/先住民
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「私たちの声を聞いて」:ベロモンチ水力発電所に反対する先住民族たちの叫び で紹介したYou Tubeの映像『Povos do Xingu contra a construção de Belo Monte(ベロモンチ建設に反対するシングー地域の民族たち)』の中で、ひとりの先住民男性がこう言っていました。
「ダムを建設することだけが果たして唯一の方法なのだろうか。エネルギーを作り出すには別の方法があるはずではないのか」 別の方法ならば、ある。 その処方箋を示すのは、ほかでもない財界人や元政府閣僚たちです。ブラジルの全国紙O Estado de São PauloのWeb版記事からご紹介しましょう。 参照記事: ●Energia - mitos que custam caro (エネルギー - 高コストという神話) 2010.11.19 ●Brasil desperdiça três usinas de Belo Monte com bagaço de cana (ブラジルはサトウキビの絞りかすをベロモンチ発電所3基分むだにしている) 2010.6.11 ●Energia da cana vale 3 belo monte (サトウキビのエネルギーはベロモンチ3つ分) 2010.9.1 昨年11月、全国工業連合会(Confederação Nacional da Indústria-CNI)は、産業界全体で25%の消費エネルギー削減が可能だとする研究報告を発表した。冶金業界を手始めに、窯業、化学、製紙、セメント業界と順に取り組んで行く計画だ。 このエネルギー対策の方向性は、2006年に発表されたサンパウロ州立カンピナス大学(Unicamp)やWWFなどによる共同研究とも一致する。そこでは全国の消費エネルギー水準は現在の半分で十分可能だと結論している。この研究報告は現在、連邦立サンパウロ大学電気工学・エネルギー研究所の研究班によって査読が行われている。 消費削減分の内訳は次のとおり。 (1) 30%:エネルギーの保全と利用の効率化による分 (2) 10%:送電ロスの低減による分(現在、発電量の15〜17%が送電中に失われている) (3) 10%:旧式の発電設備の改善による分 ところが政府は7%の年間経済成長率が今後12年間続くとの前提のもとで、国民一人あたりのエネルギー消費量は12年間で2倍になると試算している。そのためには毎年 5.1ギガワット分の発電拡大が必要だ。 ※補足: 上記のカンピナス大学らによる研究班の班長の物理学者José Goldembergジョゼ・ゴールデンベルク氏は持続可能な開発における再生可能エネルギーの開発・推進を専門とし、科学技術庁長官(1990-1991年)や教育大臣(1991-1992年)、環境庁長官(1992年 ※リオで開かれた地球サミット開催時)などの政府閣僚も歴任してきた。アマゾン流域で次々と進められている水力発電所建設計画に対して、先住民の生活や自然環境に影響を及ぼす事に懸念を表明している。2008年、旭硝子財団のブループラネット賞を受賞。 ●ブループラネット賞歴代受賞者 - 旭硝子財団 また、元農業大臣(2003-2006年)で、現在はジェトゥリオ・ヴァルガス財団サンパウロ経済学校アグリビジネス・センターのコーディネータを務める農業学者のJoão Roberto Rodriguesジョアン・ホベルト・ホドリゲス氏は、バイオマス発電の潜在力を訴えている。ホドリゲス氏によれば、国内で発生するサトウキビのバガス(絞りかす)をすべて発電の燃料に活用した場合、総発電量はベロモンチ水力発電所3基分に匹敵すると言う。 ブラジルではサトウキビのバガスは既にエタノールや電気などの形で再生可能なエネルギーとして活用されており、国内のエネルギー原料全体に占める割合は17%にのぼる。好条件下で1トンのサトウキビから砂糖175キロとエタノール80リットルが生産でき、800キロの蒸留残渣と250キロの湿潤バガスが発生する。 従来、サトウキビ加工工場ではバガスは熱源として自家消費されて来たが、近年はコジェネレーションシステムを導入して電源としても活用する所が増えて来た。全国に434カ所ある砂糖・エタノール生産工場のすべてでエネルギーが自給されており、そのうち100カ所では売電も行われている。蒸留残渣はサトウキビ畑に施す液肥の材料として利用できる。サトウキビはゴミが出ない。 ホドリゲス氏は、発電設備導入への補助や逆潮流(売電)のための送電線の設置などのバガス発電の奨励策を政府は推進すべきだと訴える。そして政府のエネルギー戦略の不在を批判して、こう語る。「(ベロモンチ水力発電所建設予定地の)シングー河からはるばると送電線を引いて電気を持って来るよりも、サトウキビの大産地であるサンパウロ州やミナスジェライス州で、既にある資源を使って発電するほうが、よほど簡単で安上がりではないのか」。 ○ベロモンチ水力発電所関連:これまでの記事の一覧> こちら ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします!(私も会員です) ▲
by hyakuishou
| 2011-01-06 00:00
| アマゾン/先住民
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2009年10月28日から11月4日にかけて、カポト/ジャリナ先住民居住区内のピアラス村に先住民族が結集して、ベロモンチ水力発電所建設に反対する決起集会が開かれました。カヤポ族のラオーニ長老の呼びかけの元に、15民族、計284名のリーダーたちが集まって行われたものです。
○関連記事: アマゾンは「緑の砂漠」なのか? (2009.11.2) 「戦闘も辞さず」 アマゾン先住民たちの抵抗 (2009.11.5) そこに暮らす人びとに何の情報も提供せず、意見を聞くこともなしに、生存権を脅かすような巨大開発プロジェクトが進められています。それどころか鉱物エネルギー大臣は、反対の声を上げる先住民たちについて「邪悪な(悪魔的な)勢力が我々の国の進歩を邪魔している」と言い放ったのでした。(キリスト教国であるブラジルでは、このような表現は非常に強い侮蔑の意味があります) 先住民リーダーたちは集会の開催にあたり、鉱物エネルギー省、環境省、IBAMA、FUNAI、連邦公共庁のそれぞれの代表者が村に出向いて話し合いのテーブルに着くよう要求しました。しかし誰ひとり現れることはありませんでした。 ルラ大統領に当てた抗議文に、集会に参加した全員が署名を添えます。その手紙を託された5人の代表は、チャーターしたセスナ機に乗って首都ブラジリアへと旅立ちました。そして鉱物エネルギー省の建物の前で必死に訴えます。「私たちの声を聞いてほしい」と。しかし誰ひとり、政府の人間は現れませんでした。 国際環境NGO Greenpeace Brasilが、その一連の動きを映像に記録してYou Tubeに公開しています。ポルトガル語ですが、言葉はわからなくても彼らの必死の訴えは伝わってくるはずです。ぜひご覧下さい。 Filme - Povos do Xingu contra a construção de Belo Monte 映像 - ベロモンチ建設に反対するシングー地域の民族たち 部分的に訳出してみました [5:40あたり〜] ラオーニ長老の甥でカヤポ族リーダーのメガロン: 「彼らは私たちの生き方を知らない。私たちが何に依って生きているのかを知らない。私たちは河や森や大地に生かされている。森にはけものがいて私たちは狩りをし、河には魚がいて私たちは漁をする。そうやって私たちは生きている」 カヤポ族ラオーニ長老: 「ダムはいらない。なぜなら、私たちが命ある存在であるように、河もまた命ある存在として生き続けてほしいからだ。魚たちも、けものたちも、すべての生き物が平和に生き続けてほしい。だから私はダムを拒否する」 [8:20あたり〜] (※こちらに書いたように、発電所建設によって100キロの長さにおよぶ「シングー大蛇行」部分が干上がってしまえば、河の魚を主要な食料としている流域の先住民は生存権を脅かされることになります) ヤワラピティ族の女性たち: 「発電所ができれば魚はいなくなっていまう。どうやって生きていけばいいの。子どもたちはどうなるの」 「私たちはベジュー(キャッサバ芋の粉をパンケーキのように焼いたもの)と魚を食べて生きているの。魚がなければ生きていけない。シングー河が魚を与えてくれる。河は死ねば、私たちも死ぬ」 「河は私たちの命。もし河が干上がれば、私たちも一緒に死ぬことになる。河は私たちのすべて」 [14:30あたり〜] (※鉱物エネルギー省の建物外壁に集会の映像を映写しながら大臣に向かって呼びかけ続けますが、誰も現れませんでした) シャヴァンチ族代表: 「ここへすぐに下りて来い。テレビや新聞に向かって物を言うのではなく、ここで私たちの声を聞かなければならない。隠れるな」 カイアビ族代表: 「私たちは悪魔ではない。私たちには私たちの教養がある。ここに来て、私たちの権利をちゃんと見ろ。同じ人間同士として理解し合わなければならない」 シャヴァンチ族代表: 「私たちは人間だ。動物ではない。私たちは平和的にここにやってきた。話し合おう」 カヤポ族代表: 「私たちは手紙を携えて来た。出て来てくれ。手紙を受け取りに来い」 [17:30あたり〜] ヤワラピティ族の女性: 「彼らにはこうお願いしたいの。彼らは私たちを人間だとは思っていないけれど、そうではなくて、彼らと同じ人間として私たちを見てほしい、と。なぜなら私たちはこの大地に最初に住んだ人間なのだから。私たちのことを見てほしい。私たちを気にかけてほしい」 ブラジルの環境NGO Instituto Socioambiental(ISA 社会・環境研究所)スタッフ: 「先住民族が、このような巨大発電所の建設に反対する意義はほかにもある。自然の中で生きる彼らには、科学者すら持ち得ない自然に対する洞察力がある。自然に対する豊かな知識がある。さまざまなものが相互に関わり合って存在する自然のあり方への知識が。それはリスペクトされなければならない。少なくとも彼らの声を聞かなければならない。議定書の規定にあるから話を聞こう、ではなく、注意深く耳を傾けなければならない」 先住民の男性: 「ダムを建設することだけが果たして唯一の方法なのだろうか。エネルギーを作り出すには別の方法があるはずではないのか」 [18:45あたり〜] カマユラ族リーダー 「私たちの生きる地域を尊重してほしい。この自然が今のままの自然で残るように。地球温暖化と盛んに言われているけれど、自然だけが温暖化の影響を減らすことができるのではないのか」 カヤポ族リーダーのメガロン: 「いま建設されようとしているものは、たくさんの人びとの生活を脅かす。それは私たちインヂオだけではない。町のほうに暮らす、ほかの多くの人びとの暮らしも脅かされることになるだろう。私たちのように声を上げて叫ぶことのできない、たくさんの人びとがいる。しかし少なくとも私たちは、ここで声を上げ、我々の生活を脅かすなと叫ぶことができる。その姿を人びとに見せてやりたいんだ」 ヤワラピティ族の女性: 「私たちは自分たちの将来が心配でここに来ているのではないの。子どもたちの未来のために、ここにいる。この子たちの未来のために」 ○これまでの記事の一覧> こちら ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします! ▲
by hyakuishou
| 2010-12-27 00:00
| アマゾン/先住民
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以前ご報告したように、映画『アバター』のジェームズ・キャメロン監督がベロモンチ水力発電所建設反対運動を展開しています。
今年3月27日-28日にブラジル・アマゾナス州の州都マナウスで開催された「国際持続性フォーラム」でキャメロン監督は基調講演を行い、ベロモンチ発電所の問題を訴えました。その後、監督は女優シガニー・ウィーバーと共に発電所建設計画によって生活を脅かされている先住民の村々を訪問する旅を行っています。 詳しくは、これらの記事を: アマゾンの森はパンドラ、アマゾンの民はナヴィ?(2010.3.31) 【速報2】キャメロン監督、アマゾン巨大水力発電所反対キャンペーンを展開(2010.4.15) この時の旅で製作されたキャンペーン映像を、国際環境NGO Amazon WatchがYou Tubeに公開しています。(ラオーニ長老の姿も少しですが登場します) A Message From Pandora BROLL: James Cameron visits the Xingu River in Brazil with Amazon Watch 「A Message From Pandora」のメイキング映像 Defending the Rivers of the Amazon, with Sigourney Weaver ベロモンチ水力発電所の位置や構造、およぼす影響等が衛星写真や地図に重ね合わせて、わかりやすく解説されています。こちらの記事と合わせてご覧ください。 ○これまでの記事の一覧> こちら ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします! ▲
by hyakuishou
| 2010-12-26 11:23
| アマゾン/先住民
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ベロモンチ水力発電所の問題は、自然環境や社会環境に与える影響だけではありません。
12月23日、環境NGOのInternational RiversとAmigos da Terra - Amazônia Brasileiraが共同で一冊の報告書を発表しました。Santander銀行の協力を得てシミュレーション分析を行ったもので、「ベロモンチ水力発電書建設への投資は、結果として損害をもたらすことになるだろう」と結論づけています。 ベロモンチ水力発電所は最大出力が11,233 MW、世界第三位の巨大発電所です。しかし乾季は水位が大きく下がることから、年間平均出力は4,420 MWにとどまる見込みです。これは最大出力の39%に過ぎません。また、政府は建設費を190億レアル(約9千億円)と試算していますが、市場の実勢相場では300億レアル(約1兆4600億円)に膨れあがると予測されます。 コストと生産力が非常にアンバランスなシミュレーション結果から、この発電所建設計画は経済的にも大きな問題をはらんでいるといえる....というのが報告書の趣旨です。 ベロモンチ水力発電所は民営事業 ベロモンチ水力発電所は、コンソーシアムが資金を調達して発電所を建設し、発電した電気の売却によって原価償却を行い利益を得る、という仕組みです。 4月に行われた入札は発電所経営の独占事業権をめぐるものでした。参加した2つのコンソーシアムのうち、「78レアル/MWh(約3800円)」という数字を提示したNorte Energiaコンソーシアムが独占事業権を落札。発電所の稼働開始後、独占事業者は、発電した電気のうち80%をこの価格で政府に売却しなければなりません。なお残り20%の電気は市場で自由に売却することができます。 入札は差し止め提訴合戦の隙を突く形で、ばたばたと実行されました。Norte Energiaコンソーシアムは落札価格について「市場分析の裏付けもなく咄嗟に出した数字」と述べており、実際、落札終了後早々に、参画した民間企業のうちいくつかが「経済性に不安あり」を理由にコンソーシアムを脱退しています。 なお政府は独占事業者に対して、巨額融資や免税措置等の様々な優遇策を提示して発電所建設を後押ししています。しかしその財源の問題など、懸案事項は山積みです。 ○報告書要約(英語/pdf) Executive Summary - Mega-project, Mega-risks Risk Analysis for Investors in the Belo Monte Hydroelectric Complex ○報告書全文(ポルトガル語/pdf) Mega-projeto, Mega-riscos: Análise de Riscos para Investidores no Complexo Hidrelétrico Belo Monte ○報告書に関するページ - International Rivers(英語) Documenting Belo Monte Dam's Risks: Buyer Beware ○報告書に関するページ - Amigos da Terra - Amazônia Brasileira(ポ語) Investir em Belo Monte pode resultar em prejuízo, diz relatório ○これまでの記事の一覧> こちら ○アマゾン保護と先住民支援を行う日本のNGO: 熱帯森林保護団体(RFJ) ご支援をお願いします! ▲
by hyakuishou
| 2010-12-26 01:22
| アマゾン/先住民
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